エアコンや石油ストーブが主流の時代において、密かに再注目されているのが「薪ストーブ」です。特に新潟県のような寒さが厳しく雪の多い地域にとって、しっかりと部屋を暖める薪ストーブはエネルギー効率から考えても理にかなった暖房器具といえます。
本記事では薪ストーブ導入の初級編として、自宅で薪ストーブを設置するメリットや注意点、薪ストーブの種類、選び方などを解説します。
自宅で薪ストーブを設置するメリット
薪ストーブには、エアコンや石油ストーブとは異なるメリットがあります。まずは薪ストーブが持つ特徴や注意点をおさえておきましょう。
「暖かさ」なら圧倒的No.1
寒冷地では、寒くなればなるほどエアコンや石油ストーブの効率が落ちてしまいます。一定以上の「快適さ」を得るためにはより多くの燃料が必要だったり、外気が冷え込んで雪が降ったとき、(エアコンの)室外機の調子が悪くなったりといったトラブルもあるでしょう。
薪ストーブは、薪を焚べ炎の熱で直に部屋を暖めます。ストーブの中の炎は常時250〜300℃ほどの温度を保っているそうです。炎は遠赤外線を発生させるため、身体はもちろん床や天井も効果的に暖めます。
薪ストーブのサイズによっては、吹き抜けの2階までしっかりと暖房できるほどのエネルギーです。
冬場でも洗濯物が干せる
薪ストーブは炎の熱で暖めるため、近づくと熱くて長時間耐えられません。反面、そんな特徴を利用して「洗濯物の部屋干し」ができるのも魅力です。
雪が多くなかなか太陽が出ない新潟県の冬にとっては、たいへんありがたい特徴ともいえます。洗濯物をエアコンの熱や乾燥機などで乾かそうとすると、電気代も掛かってしまいますが、薪ストーブならほとんど変わりません。
ただし、火事には十分注意しましょう。
加湿や料理もできる
薪ストーブには、天板がクックトップになっているタイプがあります。鍋やフライパンを置き直接料理を楽しむことも可能です。グラタンを焼いたり、お正月にはお餅を焼いてもいいでしょう。種類によっては、ピザやチキンなどを焼ける「オーブン機能」を備えたタイプもあります。
また、水を入れたケトルなどを置き加湿することで、冬場の乾燥対策にも効果的です。家族で集まったら、そのままコーヒーやココア、お茶などを煎れて団らんを楽しめますね。
薪ストーブ使用時の注意点
薪ストーブ導入時の注意点も紹介しておきましょう。薪を直接焚べて暖をとるため、灰や煙といった有害物質を外に排出するための煙突が必要です。定期的なメンテナンスのために、煙突の掃除や本体の清掃が必要ですが、一般的なエアコンや石油ストーブとは異なり、専門業者に依頼しなければならないケースもあります。
メンテナンスを怠ると、火事や中毒事故といった大惨事に繋がってしまう恐れもあるため、本格的に使用する前に、しっかりと計画しておく必要があります。
最適な薪ストーブの選び方とは
薪ストーブの購入を検討している人のために、以下のチェックポイントをまとめました。
- サイズと暖房面積
- 放熱方式
- デザイン
順番に見ていきましょう。
サイズと暖房面積
薪ストーブを検討する際に、最も重要なのが「サイズ」と「暖房面積」です。
サイズは「薪ストーブの本体サイズ」のことです。使用したい部屋の広さや天井の高さに合ったものを選ぶようにしましょう。一方、暖房面積とは、薪ストーブの「有効な効果範囲」のことです。メーカーや製品によって異なりますが、一般的に「出力」や「坪数」などで表記されます。
放熱方式を知っておく
次にチェックしておきたいのは「放熱方式」です。薪ストーブの放熱方式はおもに3種類あります。
- 輻射式(フクシャシキ):ストーブの本体全体に熱を蓄え、全方向に空気を暖める方式です。空間を360度均一に暖めていくので部屋の真ん中に設置したいときにおすすめ
- 対流式:ストーブ内部に空気の層をつくり、対流を生んで暖気を放出する方式です。エアコンのように送風するため効率的に部屋を暖められます。指向性がある方式のため、壁際などに設置したい人におすすめ
- 開放式:上の2つのストーブは炎がガラスなどで仕切られており、蓄えた熱で部屋を暖めるのに対し、「開放式」はガラス窓などが無く、直接空気を暖める方式のストーブです。「暖炉」を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。焚き木のように、火を直接眺めたりといった魅力もあります
薪ストーブの種類(デザイン)はどうする?
デザインは、薪ストーブ選びで1番楽しみにしている人も多いかもしれません。薪ストーブのデザインは大きく分けて2種類あります。
- クラシックデザイン:海外の映画やドラマで見かけるようなクラシックなデザインです。クックトップやオーブン機能があったり、直接暖をとる「暖炉タイプ」もレトロデザインに多く、ロッジ風やアウトドア風のインテリアによく馴染みます
- モダンタイプ:装飾が少ないスッキリしたデザインです。現代風のシンプルな部屋やカジュアルなインテリアに合います。モダンタイプはスッキリしているぶん、調理機能などを備えてないものが多いので、選ぶ際は注意しましょう。
まとめ
薪ストーブの選び方や種類について解説しました。寒さが厳しい新潟県の冬にとって、部屋を効果的に暖められる薪ストーブは密かに人気となっている暖房方式です。「お部屋の広さに合うか」と「どんな機能が欲しいか」が薪ストーブ選びのポイントとなります。好みや目的に合わせて選ぶようにしましょう。