2024年も12月に入り、年の瀬が迫ってきました。
例年より暖かいとはいえ、そろそろ薪ストーブをつけているユーザー様も多くなってきたのではないでしょうか。
そんな毎年最初に薪ストーブに火を入れる前、欠かせないのが年に一度の薪ストーブメンテナンスです。
薪ストーブユーザーとしては、これをせずに冬を迎えることはできません。
ということで11月10日日曜日、そろそろやってしまおうか!と、我が家でも年に一度の恒例行事として薪ストーブメンテナンスを行いました。
今回は薪ストーブメンテナンスの中でも重要な「煙突掃除」にフォーカスして、実際の写真つきで解説していきます。
薪ストーブメンテナンスの流れ
薪ストーブのメンテナンスは、大きく分けて以下の流れでおこないます。
- 煙突掃除
- ストーブ内部の掃除
- ストーブ外部の錆や汚れ落とし
我が家の薪ストーブは、薪ストーブ屋さんによるプロのメンテナンスと、家族でやるセルフメンテナンスを1年毎交互におこなっています。
昨年はプロのメンテナンスを受けたので、今年はセルフメンテナンスです。
自分でメンテナンスする場合は大体11月ごろにするのですが、薪ストーブ屋さんには「使い終わった春先にやらないと駄目ですよ。道具は使い終わったらすぐメンテナンスしますよね?」と注意されます。
おっしゃるとおりですので、皆様は早めに行った方が良いかと思います。
煙突掃除はなぜするのか?
そもそもなぜ煙突掃除をしなくてはならないのか?というと、煙突内部に付着したタールやススが煙突を落すためです。
乾燥していない薪を燃やしたり、焼却温度が低い焚き方をしているとクレオソートという発火性のタールの一種が多く発生し、煙突内、特に煙突出口に蓄積されていきます。
煙突の出口で蓄積されていくとスムーズな排煙が行われにくくなり、やがては煙が室内に漏れるという事態も起こりえます。
煙道火災について
煙突掃除を怠った場合、最悪の事態は煙道火災が発生します。
煙道火災とは、蓄積されたクレオソートに引火し、煙突の中で燃える現象です。
万が一煙道火災が発生した場合は、間違っても中の薪を出そうとしたり、消火のために扉を開けてはいけません。
炉内に空気が送り込まれ、更に火が強まるおそれがあるからです。
送り込む空気をできるだけ少なくして、おとなしく自然消火を待ちましょう。
ただ、煙道火災はそうそう起こるものではなく、それ以前になんらかの違和感や不具合が発生し、対処する場合がほとんどです。
「炉内で煙が滞留している」「煙突の継ぎ目から煙が漏れてきた」等の現象が発生したら、使用を一旦やめ、完全消火を確認してから煙突掃除をするか、ストーブ屋さんのメンテナンスを受けるのかのいずれか行うことをお勧めします。
掃除の頻度は煙突の種類による
我が家のメンテナンスは年に1度ですが、煙突掃除の頻度は「断熱二重管」か「一重管」かによります。
最近の煙突は断熱二重管がほとんどだと思います。
断熱二重管はこんな風に断熱材が入れられているため、煙突内の温度が維持されやすく、煤の付着量も比較的少なくなります。
しっかりと乾燥した薪を適切な焼却温度で使用していれば、年に一度の煙突掃除で問題ないでしょう。
ですが、昔のような一重管(シングル管)を使用している場合は、煙突内の温度が冷めやすく、煤の付着量も多くなります。
このような場合は前述したような不具合も発生しやすくなるため、年に複数回煙突掃除をすることになるでしょう。
煙突掃除の道具
煙突掃除に使う道具は、おおむね以下の通りです。
- ブラシ
- ロッド(ご自宅の煙突長さに合わせて必要本数)
- 煙突掃除用通し袋
- ドライバー
- 掃除機
- 煤を受ける袋
薪ストーブメーカーあるいは設置されたストーブ屋さんによって推奨しているそのメーカーのものを参考にされるといいと思いますが、一般的にはファイヤーサイドさんで購入される方が多い気がします。
ファイヤーサイド メンテナンス関連道具
https://ec.firesidestove.com/c/stove/woodstove_maintenance
次は、実際にこれらを使用した煙突掃除の様子をお届けします。
実際の煙突掃除
ストーブの機種や設置されたストーブ屋さんの設置方法によっても異なってくるのですが、私の自宅の例で書いていきます。
まず、ストーブ本体に接続されている1本目の煙突のネジを外して上方向にスライドさせます。
大体1本目の煙突がスライド管になっているケースが多いのではないでしょうか。
スライドさせると15〜20cm程ストーブ本体から離れるので、この状態で落とした煤を受ける袋を煙突に取り付けます。
袋はレジ袋程度だとブラシで破けてしまうので、簡単には破けない厚手のものがおすすめです。
袋を紐で縛ったら煙突にブラシを通していくのですが、煙突掃除のイメージとして「屋根に上って掃除する」と思っている方もいらっしゃいます。
プロのメンテナンスであれば屋根に上るケースが多いと思いますが、家庭でする煙突掃除は、メンテナンス口からロッドを差し込んで行う場合がほとんどです。
私の自宅であれば階段を上った2階部分の煙突にメンテナンス口が設けられているので、ここからブラシを入れて掃除します。
まずはメンテナンス口から上方向、屋根の煙突トップに向かってロッドを差し込み4mほど継いでブラシをかけていきます。
煤を下に落としていくことになるので、必ず高い位置から掃除していきましょう。
また、メンテナンス口から煤が漏れ出さないよう、煙突掃除用の通し袋を付けることを忘れてはいけません。
同様に下方向、薪ストーブ本体に向かって同じく4mのロッドを継いで、ブラシを通して煙突掃除は完了です。
続いて煙突をスライドさせた穴に掃除機のホースを突っ込んで、落とした煤や鳥が落としていった小枝を吸い上げます。
我が家ではペレットストーブ用の灰掃除機を使っています。
小枝は少しぐらいは本体内に残っていてもストーブの焼却で一緒に燃えるので、それほど神経質にならなくても良いと思います。
最後はストーブ本体をストーブポリッシュで磨いて錆や汚れを落として終了です。
ポリッシュはたっぷりつけるのではなく、少量を引き延ばしていくイメージです。
最初は犬の毛や錆びが付着した状態でしたが
少量付けて古新聞で引き延ばしながら磨き上げると、艶やかなクラシックブラックのいい表情になりました。
約半年間使用して出てきた煤の量は計量カップ1.5杯分ほど。概ね1時間〜1時間半程度で完了しました。
まとめ
煙突掃除自体は始めてしまうとそこまで面倒ではないのですが、よしやろう!と決意するまでが大変なんですよね。
プロのメンテナンスで安心したい方や、自分でやるのは面倒だと思う方は毎年薪ストーブ屋さんを呼んでも良いと思います。
一方、自分でメンテナンスをするというのも薪ストーブを楽しむ一部だと思います。
掃除用具を揃えると費用はそれなりにかかりますが、自身でメンテナンスすることで、出てきた煤から焚き方を工夫してみたり、薪の乾燥度合いが気になってみたりと、薪ストーブライフに深みが出てくるように感じています。
より深く長く薪ストーブを楽しみたい方は、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
また、アーキラボは薪ストーブのある家に特化した家づくりを行っており、他社にはない豊富な知識と経験で新潟の薪ストーブライフを支えています。
薪ストーブのある家に住みたい!と思ってる方は、アーキラボのお客様に実際の暮らしをインタビューをしているので、ぜひ読んでみてください。