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薪ストーブコラム ◇ 薪について
 ~ 樹種による温度と火持ちの違い

薪ストーブコラム ◇ 薪について<br> ~ 樹種による温度と火持ちの違い

3月も中旬に入りました。今年は例年より暖かいので、すでに1日の最高気温が15度を超える日も出てきています。そうなってくると薪ストーブをつけない日も多くなり、薪小屋整理や薪割り等、薪ストーブオフシーズンの活動が始まってきますよね。ウッドストーバーの休日はそれなりに忙しいのです。

今日のコラムは木の種類によって薪ストーブの最高温度と火持ちがどの程度違うかを書きたいと思いますが、最初にお断りさせていただきますがあくまで私見です。環境や乾燥具合によっても変わってきますし、温度も厳密に測定したわけではありません。

私も今まで色々な種類の木を薪として使ってきました。木の種類によって火持ちが違うというのは聞いていて知識としては知っていました。薪ストーブを使って数年もすると、投入する木の種類によって薪ストーブの最高温度が変わってくることに気が付きました。前提条件としてはしっかり乾燥していることというものがつきます。しっかり乾燥とは、ストーブに投入した後に木口から「ジューッ」と水分がでてこない状態で、乾燥期間で言えば風通しの良いところで少なくとも8か月~1年程度してあるものを指します。乾燥していないと水分を飛ばす方向にエネルギーを割かれ、温度が上がらないのです。
乾燥した薪は追加投入した際に熾火の上に置くと、火が勝手に回り始めやがて温度がグングン上がっていきます。
温度に関しては私の家の薪ストーブに設置したアナログの温度計でのお話になります。そのためかなり大雑把にはなります。また、薪ストーブのどこに温度計を置くかで温度の出方は変わってきます。私の家は天板真ん中に設置しているので一番高めの温度を拾っているかと思われます。

 

<針葉樹>

針葉樹は杉・ヒバ・ヒノキ・イチョウを使用しました。イチョウは割ったときの特有の臭いが駄目で一度使ったきりです。
基本的に針葉樹は火持ちが悪いです。同じ程度の大きさの広葉樹と持ち比べてみるとわかるのですが、密度が薄いので火付きは良く燃え始めは一気に燃えていく感じですが、あっけなく燃え尽きます。そして一番温度の出る熾きがほとんどでないのですぐ温度も早く下がります。最高温度も我が家のアンコールで300度程度です。これは四種類とも同じです。
火付きが良いので焚き付け用として使ったり、シーズン初めに使用する分にはすごく良いと思っています。

 

<広葉樹>


薪のキングですね。温度も火持ちも間違いなくトップです。
よく乾燥した樫と樫とで叩くと金属のような高い音がします。最高温度は350度を突破し、我が家の温度計では「Denger」を指します。難点は入手しにくい点と、玉切りしたらすぐ割らないと割れなくなる点です。比重がすごく重い木ですが、あまり太いものは出回っていなことと、木目が真っすぐ奇麗なものが多いので比較的割りやすい木です。

クヌギ
樫がキングならクヌギはクィーンですね。樫に負けず劣らず温度も火持ちも最高です。最高温度は樫と同じで350度を突破します。樫クヌギ共にですが、熾きになってからが長く持ちます。薪ストーブにおいてはこの熾きが一番温度が出ている状態です。1月2月の一番寒い時期にこの二種類のどちらかがあると心強いです。
樫と比べるとまだ入手しやすく、木目も奇麗なものも多いので薪割りもしやすいです。


樫・クヌギと比べると火持ち温度共にが若干落ちますが燃やすには良い薪材です。入手もしやすいです。最高温度は350度近くまで上がります。難点はとにかく重く運ぶのが大変なことと、玉切り材の中に節があるとびっくりするほど割れない点です。見た目では木目の奇麗な玉切りと思って斧を振り下ろすとはじき返されることがあります。こうなると楔で頑張るか機械に頑張っていただくか。重量感はトップです。瘤の部分をチェーンソーで切っていると堅くて煙がでてくるほどです。広葉樹全般に言えることですが、玉切りをしていると目立てをこまめにしないと切れなくなってきますが、欅は本当に切れなくなります。燃やした後の灰の量もトップです。


薪材としては一番名が通っていて人気があるのが楢ではないでしょうか。割りやすく、温度も320~330度程度まで上がり、火持ちも良く、入手もしやすいです。独特な香りが私は好きです。楢は瘤や曲がりの個所でなければ斧でも比較的割り易い樹種です。


桜も入手しやすい木です。温度・火持ちは楢より少し劣りますが良い薪材です。温度で300~320度。この木は割りにくいんです。楢のように真っすぐ木目が通っているのではなく、うねうねと曲がっているので斧だとかなり苦戦する玉もあると思います。割っているときと燃やした時の香りはすごく良い木です。


柿はすごく入手しやすい木です。最近だと柿を食べる人も少なくなり、かといって実を取らずにいるとカラスのターゲットになるので伐採されるケースが多いです。温度・火持ちは楢より若干劣る程度かと思いますが、熾き火が少ないので温度の下がりが早い気がします。この木も玉切りしたら早めに割らないと割りにくくなります。

胡桃
山に行けばありますが、一般の人は入手しにくい木です。この木は比重がすごく軽いです。同程度の大きさの楢や欅と比べるとかなり軽いのですが、火持ちは若干劣る程度です。中に含んでいる成分の関係のようですが意外と持ちがよく驚きます。木の中に油分も含んでいるので燃えも良く温度は楢と同等程度あがります。木目が真っすぐ通っているものが多いので薪割りはしやすい木です。

ニセアカシア
河原の伐採木配布に行くと良く見かけます。樹皮にとげが出ているやつです。温度は楢より若干劣りますが持ちは同程度でしょうか。この木も木目が真っすぐ通っているものが多く比較的割りやすい木です。とげが結構大きいので注意が必要です。

タモ
薪材として流通はあまりしていなく入手しにくい木です。私は一度だけ使ったことがあります。胡桃のように軽くて火持ちが良く温度も楢と同等程度だったのでよい薪材だと思った記憶があります。薪割りもしやすかったです。


加茂・三条・新潟市南区だと果樹園が多いので入手しやすい木です。温度は320~330度、火持ちは楢より若干劣る程度でしょうか。すごくよい薪材です。うねうねしていて一見すると薪割りしにくそうに見えますが意外と割りやすい木です。玉切り後半年程度しても比較的簡単に割れます。樹皮がボロボロ落ちやすいので気になる人は家の中をこまめに掃除をしなくてはならず大変かもしれません。灰の量も欅ほどではないですがかなり出ます。


栗もすごく入手しやすい木です。木目が真っすぐ通っていて、斧を振り下ろすたびにスコーンと気持ちよく割れてくれます。比較的比重が軽いため火持ちは良くないです。温度は300度程度。この木は燃やした時のはぜる音が結構大きいです。杉や楢だと「パチパチ」で心地よいですが、栗は「パンッ」と強めの音なので給薪している時にはぜるとビビります。香りも強い木です。


一応広葉樹らしいのですが、火持ちは杉より悪いです。すぐ燃え尽きます。薪材としては良い部類にははいらないですね。

 

他にも使ったことのある木がありますがここら辺にしておきます。木の種類で特徴がありますので皆様も気にして見ると面白いかもしれません。

※あくまで私個人の感想であり私の自宅環境におけるレビューです。

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