3月も下旬。今年は大雪とはいえませんでしたが、たまにチラチラと雪が降る日もあります。
日本海側の冬は太平洋側より湿潤だそうですが、それでも乾燥した空気を浴びていると、応えるものがありますね。
乾燥といえば、薪ストーブを自宅で楽しむ上での必需品に「スチーマー」があります。
家電製品の加湿器ではなく、薪ストーブの熱でお湯を沸かし、蒸気で加湿する道具です。
引用:京阪エンジニアリング
ネットを見ると専用品が売っていますが、1万円〜4万円弱するものもあり、お湯を沸かす専用の道具としては驚くほど高額です。
そんな高いスチーマー必要なの?どういうものを選べばいいの?という疑問にお答えするため、今回はスチーマーの必要性とその選び方について解説したいと思います。
スチーマーは必要?
「そもそもスチーマーは薪ストーブに必要なのか?」という話ですが、結論から言うとスチーマーは絶対に必要です。
薪ストーブは燃焼の過程で室内の空気を取り込み、煙突から排出させるため、部屋の空気は次第に乾燥していきます。
具体的にどの程度差があるのか、私の自宅(約24畳のリビング)で簡単に検証してみました。
薪ストーブ稼働中、室温22〜24度の状況でスチーマー有りで湿度を測定後、1時間スチーマーを撤去して再度湿度を測定してみたところ、
スチーマー有り:湿度40〜50%
スチーマー無し:湿度10〜20%
となりました。
スチーマー撤去から約1時間で、湿度が半分以下にまで下がっています。
部屋の湿度は40〜60%が適切といわれており、40%を下回ると乾燥を感じるようになり、20%を下回ると風邪のウィルスが繁殖しやすくなると言われています。
健康に過ごすためにも、適切な湿度を保つスチーマーは薪ストーブを楽しむ上で必須と言えるでしょう。
ちなみに我が家では常にスチーマーを使っていますが、薪ストーブ導入以来家族から「冬に肌が乾燥する」という話を聞いたことがありません。
お施主様からも「冷え性だったけど、薪ストーブで床まで暖かいから冬も裸足で過ごせるようになった」とお喜びの声をいただいたりしています。
上手に活用すれば薪ストーブでより快適に暮らせるようになります。そのためにも、スチーマーは常に置くようにしましょう。
おすすめのスチーマーは「適当な鍋、やかん」
インターネットで「薪ストーブ スチーマー」などと検索するとおしゃれな専用品がいくつも出てきますが、私は適当な鍋や、やかんを使うことをおすすめします。
実際使っていくとわかりますが、水道水を沸かして加湿していると、次第にスチーマー内部にカルキが白く固着していきます。
我が家で長年使っている鍋はこんな状態です。
※もちろん調理には使用していません。
たまに気になって掃除していますが、しばらくつかっているとこんな状態になります。
浄水やミネラルウォーターなら多少固着を防げるかもしれませんが、それでもいつかは汚れますし、なにより沸かすだけの水に余計なコストがかかります。
クエン酸に漬け込んだり、金属ブラシでゴシゴシ洗い落としたりもできますが、ちょっと使えばすぐ白く汚れてくるので、鋳物なんかは特に目立ちます。
また、専用品がおすすめできない理由のひとつに「重さ」があります。
大型の鋳物スチーマーともなると重さは6kg以上、水を入れたら9kg〜10kgほどになります。
お湯が湧きすぎてるから一旦どかそう、薪を入れるために少し動かそうという毎日ありえるちょっとした動作が億劫になる重さだと思います。
そんな訳で、高級な専用スチーマーはよほど見た目にこだわる人以外にはおすすめしません。
機能としては水が入って沸かせればそれでいいので、適当な鍋ややかんを専用のスチーマーにして、汚れが気になったらたまに洗う程度が気軽に使えておすすめです。
何度も水を入れ替えるのが手間になるので、3L程度入るものだとなお良いでしょう。
薪ストーブユーザーの生の声をぜひ聞いてください。
今回は薪ストーブのスチーマーについて解説しました。
アーキラボは薪ストーブのある家に特化した家づくりを行っており、他者にはない豊富な知識と経験で新潟の薪ストーブライフを支えています。
薪ストーブのある家に住みたい!と思ってる方は、アーキラボのお客様に実際の暮らしをインタビューをしているので、ぜひ読んでみてください。