薪ストーブ導入の大きな壁、薪の調達
薪ストーブを使うには、もちろん燃料である薪が必要になります。
機種や気温、樹種にもよりますが、薪ストーブを朝から晩まで焚く場合、消費する薪の量は20〜30kgほど。
ホームセンターでよく見るナラの薪束でいうと、1束がだいたい7kgほどなので、1日で3、4束消費することになります。
アーキラボのある新潟県のような寒い地域では11月頃〜翌3、4月まで稼働しているので、年間の薪消費量はトラック何台分もの量になります。
これだけの薪を入手するにはどうすればいいかわからず、薪ストーブの導入を迷っているという方も多いでしょう。
そこで今回は、薪の調達方法と、それぞれのメリット・デメリットについて解説していきます。
薪の主な調達方法
薪の調達方法は次の3種類があり、それぞれコストと入手性に違いがあります。
入手方法 | コスト | 入手性 |
購入する | ☓ | ◯ |
山から切り出す | △ | △ |
譲ってもらう | ◯ | ☓ |
それぞれ詳しく解説していきます。
購入する
薪の専門店やホームセンター、ネット通販などで薪を購入する方法です。
専門店や通販サイトを複数用意しておけば年間通して薪を安定的に入手できますし、樹種が選べたり、大抵の場合乾燥もされているので買ってすぐに使えるといったメリットがあります。
アーキラボでも、自社で乾燥させた高品質な新潟県産材の薪をネット販売しています。
https://archilabo.niigata.jp/firewood/
入手性が良い一方で、課題となるのはコストの高さです。
前述のように薪ストーブは1日20kg〜30kgほどの薪を消費しますが、そのすべての薪を購入しようとすると莫大なコストがかかります。
ネットやホームセンターで販売されている広葉樹の薪束が、およそ700円ほどで販売されていますが、薪ストーブを1日稼働するとこの薪束を3〜4束消費します。
1日の暖房費が2,000円以上になる計算ですね。
毎日これほどの費用がかかっていては、薪ストーブを1シーズン楽しむのは難しいでしょう。
森林組合や専門店では伐採したままの原木を販売していることもあり、こちらであればかなり安く薪を買うことができます。
ただし基本的に配送不可の場合が多く、自身で取りに行く必要があり、お金がかかる割に手間もそれなりにかかります。
薪を購入するのはメインの調達方法というより、忙しくて時間が無かったり、他の手段での調達ができないときの、選択肢のひとつと考えたほうがよいでしょう。
山から切り出す
自分で山を所有していたり、山を持っている知人から許可を貰って切り出し、薪を調達する方法です。
無料で薪を調達できますし、木を倒し、運び、原木から玉切り、薪割り、乾燥と、薪ストーブが持つ自然に近づくような、自給自足感が味わえる魅力があります。
ただし、山の所有は簡単なことではありませんし、そもそも住んでいる地域によっては不可能な手段とも言えます。
実際、「薪ストーブのために山を購入した」という人よりも、「山を持っているから薪ストーブを導入した」という人の方が多いのではないでしょうか。
山から直接原木を手に入れることができる人は限られていますが、調達方法としては理想のひとつです。
譲ってもらう
薪や薪の元となる木を譲ってもらうという調達方法です。
庭木の手入れや畑からでた伐採木や廃材など、処理に困っている木を貰って欲しいという人は思いの外多くいます。
実際アーキラボも、近隣の果樹農家さんが伐採した木を引き取って、お施主さんへ薪として還元していたりします。
メルカリやジモティーといったフリマサイトでも、薪木を売りたい、引き取ってほしいというのをよく見かけます。
ほかにも、河川敷などで伐採した樹木の無料配布を公募していることもあり、大量の木を無料で手に入れるチャンスです。
聞いた話では、外で伐採している人を見かけたら声をかけ、廃棄するものであれば交渉して譲ってもらうという人もいるそうです(笑)。
注意すべきなのは、安定供給が難しいことと、品質の担保です。
伐採木は毎年同じ量出るものではないので、場合によって量が不足することもあります。
特に自治体や県の間伐情報などは他の薪ストーブユーザーも目を光らせていることが往々としてあるので、ちょっとした争奪戦になることも。
また、商品化されたものではないので、ぐねぐねと曲がっているものや。細い枝のようなものが混ざっていることもよくあります。
きちんと乾燥すれば問題なく使えますが、薪棚での保管時に無駄にスペースを取られたり、薪割りに手間取ることはあるでしょう。
しかし、山ほど欲しい薪をタダで譲ってもらえるのです。
これくらいは薪ストーブの楽しみのうちと捉えて、譲ってくれる人に感謝しながら薪ストーブライフを満喫しましょう。
まとめ
今回は薪の調達方法について解説しました。
それぞれの調達方法にメリット・デメリットがありますが、どれかひとつに頼るというより、状況に合わせてこれらの手段を併用するのが一般的です。
時には譲ってもらって運び込み薪割りを楽しみ、薪が足りなかったり時間が無ければ購入して気軽に楽しむ。
そんな柔軟な姿勢でいたほうが、より薪ストーブライフを楽しめるんじゃないかなと思います。
なお、アーキラボではより多くの人に薪ストーブのある暮らしを楽しんでもらえるよう、薪配布のお手伝いもしています。
実際にアーキラボで建てたお施主様のインタビューも公開しているので、興味のある方はぜひ一度読んでみて下さい。